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研究テーマ :マイクロ波・ミリ波・光波デバイスの研究開発およびその実用化

 近年、電波資源の枯渇に伴い、現在ほとんど未利用である周波数帯域「ミリ波帯」の応用が注目を集めている。また、ミリ波帯は帯域幅を広くとることができるため、高速かつ大容量な無線通信が実現可能として期待されている。さらに、日本において59-66GHz帯は特定小電力機器として簡易免許で利用できることから、そのデバイス開発に期待が高まっている。この社会的期待に応えるべく、ミリ波デバイスの研究開発に日夜励んでいる。
 現在までの成果を研究成果に示す。

これまでの研究概要

2008年4月~
マイクロ波・ミリ波・光波デバイス開発や同周波数帯における材料評価方法の研究を行っている。
2007年7月~
より実用的なミリ波回路の実現を目指した総務省の委託研究「ミリ波帯ブロードバンド通信用ベースバンド・高周波混載集積回路技術の研究開発」に参画し、東京工業大学発ベンチャー企業AMMSysとともに、40GHz帯低雑音MMIC増幅器の開発研究を行っている。
2007年4月~6月
低損失誘電体材料の高周波特性評価への気運の高まりから、マイクロ波・ミリ波帯における誘電体材料測定に関する研究開発を埼玉大学発ベンチャー企業SUMTECとともに行ってきた。
2004年~2007年
ミリ波伝送路として非放射性誘電体線路(NRDガイド)が優れていることに注目し、NRDガイドを用いたミリ波受動デバイスの開発(アンテナ、変換器、バンドパスフィルタ等)およびその実用化(NRDガイド送受信機の開発等)を目指して研究を行ってきた。特に、55GHz帯帯域通過フィルタに関する国際会議APMCの発表「A 55GHz 5-pole NRD guide E-plane Bandpass Filter for Millimeter Wave OFDM Applications」において、ミリ波帯において実現が困難な低損失、狭帯域、急峻特性を実現したことから2006 Asia-Pacific Microwave Conference APMC2006 Prize 受賞した。これらのNRDガイドに関する研究成果は、東北工業大学発ベンチャー企業MMExによって製品化され、いくつかの場所で実際に使用された。
1998年~2004年
デバイス基板となる誘電体平板材料の複素誘電率(比誘電率と誘電正接)をミリ波帯において、高精度かつ高能率に測定するための遮断円筒導波管法を確立した。さらに、本測定法の測定結果を応用し、ミリ波高温超電導フィルタの設計およびその実現問題に取り組んできた。また、遮断円筒導波管法は、ファインセラミックスのミリ波帯における誘電特性測定方法として、JIS(Japanese Industrial Standard)規格にJIS R 1660-1:2004 "ファインセラミックスのミリ波帯における誘電特性測定方法-第1部:遮断円筒導波管方法"として採用された。また、IEC(International Electro technical Commission)規格にもIEC 61338-1-4: 2005 "Waveguide type dielectric resonators - Part 1-4: General information and test conditions - Measurement method of complex relative permittivity for dielectric resonator materials at millimeter-wave frequency"としても採用された。